断食によるダイエット
断食や絶食とは、食を断つというその単語からわかるように、食事を一切取らず、何も食べない状態のことです。一定期間食事を摂らないわけですが、その間は生命維持のために水を飲む場合もあります。
世界には、宗教的な理由で行うという断食もあります。イスラム教徒は、ラマダン月の間は日が沈んでいる時以外は何も食べません。イスラム教の他にも、それぞれの理由で断食を行う宗教があり、キリスト教でも宗派や教会によっては断食を行います。
断食を数日間続けることによって五感が敏感になり、精神が研ぎ澄まされるといい、宗教的な思想を模索するためや苦行のためなどで断食するのです。とはいえ、生存において食事は欠かすことのできない行為ですから、長期間の断食は本来、生き物としては行うべきでない行為といえるのかもしれません。
本来は、三度の食事をバランスよく摂るのが体にとって一番良いとされています。何らかの理由で栄養摂取が止まった場合、人の身体は体内の脂肪や蛋白質をエネルギーに変えて生命を維持しようとします。エネルギー不足と判断された身体は、体組織から栄養を引き出すことで生き延びようとするわけです。
断食ダイエットは、このような身体の特質を利用していますが、数日となると負担が大きく、簡単にできるというわけではありません。
断食ダイエットの効果
人間の身体は脂肪や糖分が蓄えられているため、何らかの理由で食事を取らずとも、しばらくはそのエネルギーを使うことができます。栄養の補給が途絶えても、ある程度の期間は生命を維持できる能力を持っているのです。
断食ダイエットによって得られる効果は、自然に蓄積された毒素や老廃物、過剰栄養分などの排出と、胃腸や肝臓など内臓の休息があります。断食ダイエットを行うことにより、体の機能が回復し、体質改善の効果も期待できます。
また、断食ダイエットで食事をリセットし、食習慣を見直せるという利点もあります。体が覚えている大食などの悪しき食習慣を断食で打ち消せば、食習慣が一新され少量の食事で満足できるダイエット向きの体質になることも可能です。
もっとも、留意すべき点もいくつかあります。大事な点としては、断食状態が続いた体は不足気味なエネルギーを何とかするために、体内にエネルギーを蓄積しやすくなることです。
断食ダイエットは、終了時の食事も気を配らなければなりません。断食後に急にたくさん食べると脂肪が蓄積されやすく、リバウンドの原因になってしまいがちです。
一気に元の食事に戻すと、消化吸収力のアップした体はあっという間に脂肪を溜め込んでしまいます。断食ダイエットは復食時の調整がポイントとなるのです。軽い食事で緩やかに元の食事に戻すはずが、食欲が先走りすぎてうまくいかなかったケースもあるので気をつけましょう。
自力では難しそうという方は、宿泊しながら専門家の指導で断食ができる断食専門施設もあるのでチェックしてみましょう。
家庭でもできる断食ダイエット
本断食とは、3日間以上の比較的長期の断食をいいます。自己流の長期断食はダイエットになるどころか健康を損なう恐れがあるため、本断食は専門知識のある人の指導で行いましょう。
間違いのない断食ダイエットで家庭でできるものは、半日くらいの断食ダイエットです。半日の断食くらいでは満足できなければ1日くらいなら可能ですが、おすすめはしかねます。
半日断食ダイエットは、夕飯を食べた後から昼食までの間、食事をしないダイエット方法です。夜食や間食といった、口に何か物を入れる行為は全て断ち、水分だけを補給して18時間以上の断食をするダイエットです。
食事を絶つことによって、胃腸を休めます。十分な水分を補うことで老廃物の排出が促されますので、朝食代わりには0.5リットル程の水分を摂取します。水分を十分に摂取することで、便秘の防止にもなります。必要量は1日2リットルです。
断食ダイエットを頑張って、夜食・間食・朝食を抜いても、その後の昼食や夕食での食べ過ぎは逆効果です。日常のカロリー調整はダイエットの基本的な部分なので、きちんと調整しましょう。
朝食抜きがつらい方は、食事の量をコントロールしたり、朝食を野菜ジュースやゼリーに置き換えるなどして、無理なく徐々に断食ダイエットを進める工夫をしてみましょう。あまり気負わず、食事習慣を一旦リセットして見直すくらいの気分でトライしてみてはいかがでしょう。
